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総合目次と説明

主に官能小説と下ネタです。
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幼馴染とエロ愉しく過ごす日々 目次へ
 短編連作。幼馴染とエッチする小説

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 ドタバタエロコメディ。
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先輩は堕天使になりたい 目次へ
 堕天使になりたい先輩にエッチなことをする小説

平和なファンタジー 目次へ
 短編連作


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謎の下ネタ記事
下着と神秘
音の響き。「ヴァギナ」は強そう。「ペニス」は弱そう。


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兄「お兄ちゃん大好き……(裏声)」目次へ
 未完。
 下ネタとラブコメ。
SS速報VIPに投稿に投稿していたものをまとめました

男「美少女に囲まれた暮らし、か……」
 
SS速報Rにて投稿していたものをまとめました

転載しているSSに関して問題があれば、掲載を取り下げます。


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生と(以下略)が30話に到達しました。

もう、と言うべきか、やっと、と言うべきか。
恐らくは後者かなと。

一話目を投稿したのが、去年の3月で、30話までの総文字数は大よそ9万文字。
9万と言えば大きな数字にも思えるが、向こうのブログに投稿したものや、データ販売を行っている文章などの、自分が今までに書いた文章の総文字数を考えると大したものでもない気もする。

と、いったことをついつい考えてしまうのが師走マジックです。
付け加えると、今僕が、終わり良ければ全て良しを狙ってせこせこ必死に書きまくってるのも師走マジックです。


今回更新した30話、ならびに31話(こっちはまだ予定でしかないがほぼ確定)は、SS時代の筋書きをほぼそのまま使う予定です。
山村さんのお兄さんは生えててこそ。

生と死、精と子#30

 放課後。
 俺は一度アパートへと戻り、私服に着替えてから山村さんの家へと向かった。
 霧衣と桃子ちゃんは何だかんだと言いながら上手くやっているようだ。
 桃子ちゃんの部屋に少し顔を出した時には、占いの話で盛り上がっているようだった。



 山村さんの家へ訪れるのは、これで二度目だ。
 立派ではあるが、それは周囲の家屋や俺の実家と比べての話であり、特別に変わった特徴がある訳ではないので、単なる思い込みではあるのだが、『お嬢様が住んでそう感』は拭えない。
 呼び鈴を鳴らし、待つこと数秒。

『鍵は開いているから、そのまま入ってきて』

 と、インターフォンを通して声が聞こえてきた。
 その声音はどこか慌てているように感じられた。
 ははあん。さては俺と会う為にお洒落をするのに気合を入れすぎて、間に合わなくなってしまったのだな。
 などと考えながら、うきうきとした気持ちで玄関を開く。
 途端に山村さんの上げた「わあ」という声と共に、何かが物凄い勢いで飛んできた。

「う、うおぁっ! 山村さんから俺への愛が余りの大きさに質量を得てぶっ飛んできたのか!?」

 そうだったら良いなと願望を口から垂れ流しつつも、現実を受け入れ、毛むくじゃらのそいつを受け止める。

「もう、ペロったら!」

 どうやら俺の為にお洒落をしていた訳ではなく、ペロリィーヌの相手に手こずっていたらしい。
 名前のわりに賢いじゃないか、などと失礼なことを考えた記憶がある。
 そう扱い辛い犬ではないと思っていたが、どうやら思い違いだったらしい。
 俺に向かって嬉しそうに尻尾を振る姿は正直に言うと可愛らしいと感じてしまったが、その後が問題だ。
 脚にしがみついたかと思えば、リズミカルに腰を打ち付け始めたのだ。

「こら! ペロリィーヌ!」

 山村さんが慌ててペロリィーヌを引き剥がそうとするも、驚異的な力強さで俺の脚にしがみ付いて離れようとしない。
 飼い主にとっては恥に過ぎないかも知れないが、ペロリィーヌはペロリィーヌで本気で子孫を残そうとしているのだから、ちょっとやそっとの妨害には屈しまい。
 ……俺は何だかこいつが不憫に思えてきた。
 こうも必死になって交尾をせんとしているのに、悲しいかな相手は男でしかも腰を打ち付ける部位を間違っている。
 せめてケツの穴ぐらいは貸してやるのが、種族は違えど同じ雄としての情けではないだろうか。
 一度そうした考えが浮かんでしまうと、もう頭の外へと追い出すのは難しかった。
 仕方あるまい。ここは覚悟を決めよう。

「山村さん、少し離れていてくれ。なに、乱暴するつもりはない。むしろ俺が少々手荒に扱われる可能性がある」

 俺の足元でペロリィーヌとの格闘を続けていた山村さんが顔を上げる。なんなのか、と言わんばかりの表情だ。
 大丈夫、と念押しすると、彼女は首を傾げながらも俺から少し離れた。
 これで準備は整ったか。
 俺は切なげな眼差しをこちらに向けながら腰を振り続けるペロリィーヌに向けて言う。

「本来であれば、男色家の気などないのだが……。見知らぬ仲でもない、男としての情けだ。受け取れ!! 俺のけつ!!」

 素早くズボンもパンツも脱ぎ捨て、その場で四つん這いになり、ペロリィーヌに向かって尻を突き出す。
 途端、ペロリィーヌは、きゃいんっ、と情けない鳴き声を上げて去っていった。
 訳が分からないが、ペロリィーヌが去った以上、尻を出していても仕方ない。
 のそりと立ち上がる。山村さんが顔を両手で覆っている。

「ど、どうしたの、高宮くん」

「いや……俺が聞きたい」

「……きゅ、救急車、呼ぶ?」

「おかしいのは俺ではなくて、ペロリィーヌだぞ?」

「……ペロ?」

 やはり女の子には男同士の熱い友情が理解出来ないか。
 言葉にするのは野暮であろうとは思うが、このままでは俺がただの変な奴扱いされかねない。
 気乗りしないが、説明しておこう。
「実はな……」と、俺が重い口を開くと、すかさず山村さんが言った。

「あの、事情を説明する前に、服を着たらどうかな?」



「そうすると、あの時のペロリィーヌは別に交尾がしたかった訳ではないのか?」

「絶対とは言えないけどね。高宮くんの周りに、発情期の雌犬なんていないでしょ?」

 俺は少しばかりおちんぽをふっくらさせながら、「いないなあ」と答えた。
 別に動物に欲情している訳ではないが、『発情期の雌犬』の響きが卑猥なのと、山村さんが美少女なのが悪い。

「雄犬の場合は周期的に発情する訳じゃなくて、近くにいる雌に反応して発情するんだよ。だからきっと、さっきのはマウンティングだと思うな」

「……要するに、俺を舐めて掛かってのか?」

 今やすっかり落ち着いてクッションの上で丸くなっているペロリィーヌをじろりと睨み付けるが、俺を見てあくびをする始末だ。やはり舐められているのか。

「そう、かも知れないけど……。高宮くんが来る少し前からそわそわしていたから、もしかすると単純に喜んでいたのかもね。私にとってもペロにとっても高宮くんは恩人だから」

 そう言って山村さんがにこりと笑う。
 真偽は定かではないが、ペロリィーヌの狼藉は不問としようか。
 俺は彼女の美人という形容詞では足りぬほどに整った顔立ちを見つめながら、何気なく、同じく人外の域に達する容姿の持ち主である霧衣と比べていた。
 どちらがより綺麗で可愛いか、という話ではない。
 霧衣の方はまさしくこの世の人間ではないのだが、どちらかと言えば山村さんの方が浮いているように感じられるのだ。やはり世界に馴染む力が影響しているのだろうか。
 そんなどうでも良い思案に耽っていたせいか、俺はすっかりある言葉を失念してしまった状態で口を開いた。

「そう言えば、山村さんのお兄さんは……」

 そこでようやく思い出す。生えている、と伝えられていたのだ。何が? お兄さんだ。

「庭に生えてるよ」

「お、おう……」

 何やら不穏な空気が漂い始める。
 お兄さんに関する話は、山村さんの口から聞いたのだ。触れてはいけない話題ではないはずだ。
 一体どうしたのだろうか。
 俺が可愛らしく小首を傾げていると、不意に耳鳴りがした。
 余りに突然訪れたので、俺は実際にきぃぃん、という音がどこかでしているものだと思い、辺りを見回した。
 音の発生源らしき物体はなく、耳鳴りだと気付く。が、ペロリィーヌが身体を起こして不思議そうに宙へ向かって鼻を鳴らしている。なんなのか。
 妙だと思っている中、今度はズシリと頭が重くなるような感覚を認める。
 敵意。敵意を向けられている。俺の直感がそう訴える。

「もうっ! お兄ちゃん! 高宮くんは変人奇人の見本ではあるけど、悪い人じゃないよ!」

 山村さんが唐突にそんなことを口走る。
 途端に、耳鳴りも、頭の重さも、敵意も、霧散した。

「ごめんね、高宮くん。さっきので勘違いしてるみたい」

 さっきのというと、ペロリィーヌの為に尻を丸出しに……いや、せっかくだから山村さんに見せつけておこうと欲をかいておちんぽも丸出しにしたが、とにかくそのことを指しているのだろう。

「……まだ姿を見掛けていないが、まあ良い。どこかで見ていて勘違いしてしまったのは分かった。それでどうしてあんな不思議なことが起きるんだ」

「ご、ごめん。お兄ちゃんは昔から変わったところがあって……。ま、まあ、生えてるぐらいだからね」

 自信が無さそうに良く分からない弁護をする山村さん。
 兄想いの良い子であるのは理解出来たので、納得しておく。

「そうか、いや、謝らないでくれ。生えてるんだもの、当然だよな」

 全く意味不明だが、何となく話を合わせておく。
 ついでに「ははは」と笑いも付け足す。
 山村さんもそれに合わせて「ふふふ」と笑みを零した。
 良いのか、これで。
 俺は今ほどエロゲーの主人公が羨ましいと思ったことはないぞ。誰か選択肢を提示してくれ。ついでに正解も選んでくれ、と願わずにはいられない。
 半ば現実逃避をしながらも笑い合っていたが、不意に山村さんの笑いがぴたりと止まる。

「うう……。こっちに連れて来い、って……お兄ちゃんが」


つづく

生と死、精と子#29

「どういう意味だ?」

「どうって、一つしかないだろ。お前はあの幼馴染をどう思っているんだ?」

「……良いおっぱいだ。おっぱいは良いものだ。オカズになる」

 まだ調子が狂ったままらしい。
 おっぱいばかりに意識が向かってしまう。いや、本質から目を逸らしている自覚はある。これまでになく可愛く感じてしまった雲子に対して、正面から当たることを避けているのだ。本人を前にしている訳でもないのにも関わらず。

「何故オカズの話になるんだ。分かってるんだろう? お前に必要なのはキスだ。男地獄に落とされない為とは言え、好意すら抱いていない相手を口説くのを進める気はない。だから聞いているんだ、彼女に対するお前の素直な感情は如何なるものだ?」

 俺の心を見透かしたような正論だ。

「……霧衣。お前が俺を心配してくれているのは分かっているが、すまん。俺も正直混乱している。おっぱい。それ以上でもなくそれ以下でもない幼馴染に過ぎなかったんだよ、俺にとってのあいつは」

「それはつまり、今は違うと言っているのか?」

「ええい! うるさい! とにかく後にしてくれ! 俺は自分のヘタレっぷりに落ち込んでるの! 本当だったら『可愛いねぇ、うひょひょ!』とか言って抱き付いて然るべきなのは分かってるんだよ!」

 理不尽な俺の言い分に、霧衣は再び盛大な溜息を漏らした。

「まあ良い。ただ、相手だって人間だからな? お前がらしくない言動を取れば、向こうがつられる事もある、もちろん逆だってあるだろう。別にヘタレだとは思わなかったぞ、私は」

「慰めているのか、それは」

「……そうだ。無駄に自信を失くすのは良くない。時間の無駄だ。お前……本当に分かっているのか、あの恐ろしい地獄の有様を。全てが男だ、男なんだぞ、風の音は雄叫びであり、木々は毛深い脛であり、天を仰げば禿頭が光り輝き、止め処なく汗を滴らせ走り回る男達、寝食を忘れて男の肉体に関する研究を続ける男達……男地獄にあっては時間も無力だ。死すら救いにならない。無限だぞ、無限に続く男臭さが……」

「分かってる! 朝から気持ち悪くなるような話をするな!」

 そんなやり取りをしていると、どこからともなく声が聞こえてきた。
 
「高宮ぁっ!」

 男尻だ。
 一体どこにいるのか。辺りを見回すと、校舎の窓から身を乗り出してこちらに手を振っている姿があった。

「楽しそうな話だなー! 俺も混ぜてくれー!」

 響き渡る大声。朝から元気な奴だな。というか、耳が良すぎる。
 今度は俺が溜息を漏らす。

「はあ……。あの真っ直ぐさは見習うべきではないだろうか。どう思う?」

「奴なら男地獄を乗り切れそうだな」

「……男尻の話、お前にしたっけか?」

「男地獄の話を楽しそうだと言い切れる時点で、どんな人間かは察しが付く」

 それもそうか。
 教室に着いたらあれこれ質問されるであろうことは容易に想像出来る。今から面倒臭い。
 まあ良い。
 俺には色々と考えるべきことも、やるべきこともあるのだ。



 衣服を制服へと変化させた力、霧衣が言うところの『この世界に馴染む為の力』の影響なのだろう、見知らぬ女の子がちょろちょろと歩き回っていても全く騒ぎにはならなかった。
 この分なら放って置いても問題ないだろう。
 不安が一つ解消され、俺はまず始めに、桃子ちゃんを通して由宇さんに仕事の有無を確認することにした。
 金はあるに越したことはないので、仕事があるならそれで良い。無いなら無いで予定を組まなくてはならない。
 由宇さんからの返事は、こうだ。
 急ぎの仕事はないが、少し身体を動かすのに付き合って欲しい。暇な時に事務所に来てくれれば良い。給料は小額だが出す、と。
 桃子ちゃんにお礼を告げて自分の教室に戻ろうとすると、おい高宮、と引き止められる。

「あの、霧衣という子はどうしているんだ?」

「どっかその辺でブラブラしているんじゃないか。問題無さそうだったぞ」

「……む。そうか」

 何故か不機嫌そうな顔をする桃子ちゃん。
 ……ひょっとして、霧衣に構われるのを密かに楽しみにしているのだろうか。

「後で顔を出すように伝えておくよ」

「べっ、別にそんなことは頼んでいないだろう!?」

 突然立ち上がり、大声で否定する。
 その態度でどうすべきかは充分に良く分かった。
 普段は物静かなのであろう桃子ちゃんの乱心とでも言うべき姿だが、もはや教室内に反応を示す人物はいなかった。
 桃子ちゃんもそのことに気付いたのか、唇を噛み締めて椅子に座り直した。

「高宮の仲間だと思われ始めているのか……。私が……」

 何やら落ち込んでいるようなので、元気を出せ、の意を込めて肩を叩いて、桃子ちゃんのもとを後にした。
 仕事が急ぎでないとなれば……山村さんからのお誘いに応じるべきだな。
 休み時間を待って、彼女に声を掛ける。

「ちょっと良いか、山村さん」

「どうしたの、高宮くん」

「この間してくれた、お兄さんの制服を貸してくれるって話はまだ有効か?」

「ん? もちろんだよ。都合の良い日、あった?」

「ああ……急で悪いが今日はどうだ? いや、実は探偵事務所の仕事が……まあ、落ち着いたもんで」

 落ち着くも何も、まだ俺は山村家の飼い犬を探したっきりであり、探偵の助手などと大層な身分を名乗るには実績不足なのだが、少しぐらい格好付けても良いだろう。他はさて置き、顔が格好良いのは不変の事実だからな。
 山村さんはしばしの間、宙へと視線を漂わせた後、言った。

「私も今日は特に用事が無いから大丈夫だよ」


30話へと続く

生と死、精と子#28

 学校が始まるまでの時間、俺は床にごろごろと転がりながら、霧衣の無駄話に付き合うことにした。
 寝直すことも考えたが、霧衣の奴は桃子ちゃんの部屋に帰るつもりがないらしく、無視して眠るには存在感があり過ぎるためだ。
「ほー」だの「へー」だのと適当に相槌を打っていれば満足らしいので、まあ良しとする。



 学校への道程を三人で歩く。三人とは、俺、桃子ちゃん、そして霧衣だ。

「平然としているが、何のつもりだ?」

 当然の疑問を桃子ちゃんが口にする。
 正体を言ってしまえば人間ではないし、“設定”上も家出娘な訳で、同級生面されても困るのだ。
 俺とて一体なんなのか、とは思っていたが面倒なので問い質さずにいた。

「えっと、桃子お姉様と一緒に居たいなと思って」

 得意のお姉様攻撃だが、桃子ちゃんは納得しない。
 
「そうは言ってもなあ、部外者がうろちょろしていればすぐに騒ぎになるぞ? 高宮の部屋で大人しくしていたらどうだ?」

「大人しくって、あの部屋何も無いじゃないですか」

 霧衣の言うことも尤もで、あるすれば精々俺の残り香ぐらいだろうな。
 二人のやり取りを横目に、そんなことをぼんやりと考える。
 会話は平行線を辿る一方だ。
 俺が口を挟むべきか悩んでいる中で、霧衣が言う。
 
「桃子お姉様には迷惑が掛からないようにしますから」

「……そうは言ってもなあ。そもそもその格好じゃ目立つだろう。高宮はある意味で顔パスだが」

 まあ、どんな服を着ていようとも俺の端整な顔立ちは変わらないからな。
 霧衣のように私服で登校したとしても問題にはなるまい。
 ……関わるのが面倒だと思われている訳ではないぞ。
 誰に向けてなのか分からない弁護を脳内に展開していると、霧衣が待ってましたと言わんばかりの声音で「それなら大丈夫です」と宣言した。
 一体どんな策があるのだろうか。
 視線を向けていると、彼女は小走りで去っていった。
 なんなのか。
 俺と桃子ちゃんは一瞬顔を見合わせた後、霧衣が去った方へと向き直した。
 角を曲がった彼女の姿が住宅の陰に消える。
 時間にして数秒、すぐに戻ってきたその姿を見て、俺と桃子ちゃんは目を丸くさせた。

「こんなものだな。我ながら似合っていて可愛いと思うのだが、どうだ?」

 得意気になって俺へと問う霧衣の格好は、桃子ちゃんと同じ制服姿だった。
 確かに可愛いのだが、素直に認めることがしゃくだった俺は「パンツ次第だな。さあ、スカートの中も見せてもらおうか」と迫ったが、桃子ちゃんが大声を上げたことで不発に終わってしまった。

「一体どうなっているんだ! 昨日の高宮といい、お前達は奇術師の一族か何かなのか!?」

「奇術師の一族ってそんな……漫画の世界じゃあるまいし。ただの早着替えですよ、桃子お姉様」

 恐らくこの場で最も漫画めいた人物である霧衣が言うと説得力があるな。
 
「これで服装の問題は解決出来ました。一緒に学校へ行く事を許可してくださいますね?」

「う、ううむ……」

「そのお返事は了承ということですか?」

「むむむ……もう好きにしたら良いんじゃないか……」

 渋々認めた、というよりも酷い。
 先の着替えに対する衝撃のあまり、考えることを放棄したと見える。
 まあ、なんのかんのと言いながらもこうして場に馴染んでいることを思えば、上手くやるだろう。少なくとも本人が口にした通り、桃子ちゃんに迷惑を掛けない程度には。
 そんなことよりも俺は、あの衣装替えの真実が知りたい。
 霧衣の肩を小突いて呼び寄せ、桃子ちゃんには聞こえないように小声で訊ねる。

「さっきの服を変える魔法みたいな奴は何だ? 早く着替えただけではないだろう?」

「この世界に馴染む為の力、その一端だ。細かい事は後で良いか?」

「ああ。ただ一つだけこの場で教えてくれ。その力は応用が利くのか?」

「ん? ああ、制服か?」

「そんなものはどうでも良い。気になるあの子にちょっぴりエッチな服を着せて、うぐふ、ぐふふふ、と笑えるかどうか聞いているんだよ!」

「そんなこと出来る訳がないだろ。私自身の服を変える程度の事しか出来ない」

 霧衣が「話は終わりだ」と言わんばかりの表情を浮かべるが、俺としても興味がなくなったところだ。
 好きにすれば良い。
 そうこうしている内に大分学校へと近付いた。
 辺りを歩く学生の姿も増えてくる。

「ん? あれは雲子……か……?」

 良く見知った幼馴染なのだから、見間違えるはずがない。
 ないはずだが、どうにも自信が持てない。
 少しの間、俺は首を傾げて彼女を観察していたが、はたと気付いた。
 髪型が変わっているのだ。
 以前と同じく内巻きではあるが、程よくふんわりと膨らんでいる。パーマを掛けたのだろう。
 形ばかりではなく、色も変わっている。以前よりも赤みが強くなっている。
 似合っているのか、あるいは幼馴染である俺から見て新鮮に映るからなのか、やけに可愛いと感じさせられる。
 などと考えながらじっと雲子を見ていると、向こうも俺に気が付いた。

「おはよう、大輔」

 いつも通りの態度だ。……俺と霧衣を交互に見やって不機嫌そうな表情を浮かべるところまで含めて。

「お、おう……。一体どうしたんだ、雲子。おっぱいは据え置きで可愛くなるなんて卑怯だと言われても仕方ないんじゃないか。ここは間を取って、俺に揉ませてあげるべきなのでは?」

「はあ? 何と何の間よ」

「何って、おっぱいとおっぱいの谷間……なのか……?」

 いかん。自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。
 この支離滅裂な言い分は、怒られても仕方ない。そう思って身構えていたが、雲子は口を開こうとさせしなかった。
 ただじっと俺を見つめている。
 なんなのか。
 幼馴染の新鮮な見た目に少しばかりドキドキとしながら、彼女が何らかの言動を取るのを待つ。
 ややして、雲子はどこか切なげな表情を浮かべて言った。

「ちょっとは褒めてくれると思ったんだけどな……」

「な、何を言ってる、褒めたじゃないか。可愛いし、おっぱいも相変らず大きいし、か、可愛い、うん。少しムラムラしたぞ。オカズにしても良いか? 良いな? よしよし、よし……」

 何故か慌てる俺。
 いや、本当に「可愛くなった」と口にしている。言い訳でもなんでもない。

「……ありがと」

 なんだかお世辞を受け流す風に聞こえる声音でそう告げて、雲子はさっさと立ち去ってしまう。
 追い掛ける訳にもいかず立ち尽くす俺は“やらかしてしまった感”に苛まれる。
 ……なんてこった、これではまるで青春の甘酸っぱさを味わっているみたいではないか。
 この美青年たる俺にはそんなもの幼稚過ぎる!

「お前もそう思うだろ! 霧衣!」

「な、何だよ、一体」

「……すまん。色々と思うところがあって取り乱してしまった」

 桃子ちゃんは先に学校へ行ってしまったらしい。霧衣だけが少し距離を置いたところに立っていた。
 こちらに近付きながら、一言。

「お前、アホだろ」

「アホなのではない! おっぱいへの……いや、女体への愛が行き過ぎているだけだ!」

 今回はちょっと自分でもアホなことをしたと思っているので、霧衣に向けた言葉は虚勢である。もちろん女体を愛して止まないことに偽りはない。
 はあ、と大きな溜息を漏らした霧衣が首を横に振る。
 そこは軽い罵倒混じりのツッコミでも入れてくれよ。
 そうすれば少しはいつもの調子を取り戻せると言うのに。言外に動揺していることを認めつつ、俺は頭を掻いた。
 霧衣が言う。

「……で、実際のところはどうなんだ?」


29話へ続くよ

プロフィール

天沢

Author:天沢
マイペースですみません。
オリジナルの小説らしきものを書いています。
18歳未満閲覧禁止なのです。

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幼馴染に倒錯的な恋をする日々『メイド編』
幼馴染とエロ愉しく過ごす日々『露出編』
幼馴染とエロ愉しく過ごす日々『汗だく編』
過去の作品に関しては
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