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総合目次と説明

主に官能小説と下ネタです。
M男ものは特別好きなので、別ブログにて掲載中 → ぷるんぷるるん
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幼馴染とエロ愉しく過ごす日々 目次へ
 短編連作。幼馴染とエッチする小説

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 ドタバタエロコメディ。
 兄「お兄ちゃん大好き……(裏声)」の新装版です。色々変わってます。

先輩は堕天使になりたい 目次へ
 堕天使になりたい先輩にエッチなことをする小説

平和なファンタジー 目次へ
 短編連作


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謎の下ネタ記事
下着と神秘
音の響き。「ヴァギナ」は強そう。「ペニス」は弱そう。


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兄「お兄ちゃん大好き……(裏声)」目次へ
 未完。
 下ネタとラブコメ。
SS速報VIPに投稿に投稿していたものをまとめました

男「美少女に囲まれた暮らし、か……」
 
SS速報Rにて投稿していたものをまとめました

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生と死、精と子#38

 弁当を作ってきたという雲子に手を引かれ、教室を後にする。
 どこへ行くのかと訊ねると、中庭、とだけ返ってきた。
 瑛が待っているのだろうか。
 そんなことを考えている中で、俺はふと気付いた。
 雲子に対して自然に接することが出来ている。
 それを自覚すると共に改めて彼女の顔を見る。やはり以前よりも可愛くなったことに違いはない。
 まあ、それでも雲子は雲子だよな。などと思っていると、視線に気付いた彼女がこちらを向いて言った。

「なによ」

「いや……可愛くなったな、と思って。あ、いや前は不細工だったと言っているわけじゃないぞ」

 勘違いされては困ると咄嗟に付け足した後半はともかく、前半は自然に褒めることが出来たと思う。
 雲子はどこからかやかんの音が聞こえてきそうな勢いで顔を真っ赤にしていく。そして俺の脛を思い切り蹴り飛ばした。

「うっ……。い、いてえ! なんだよ」

「う……う……」と呻きながら、肩を震わせる雲子。
 なんなのか。俺が目をしばたたかせていると、彼女が叫んだ。

「うるさい! うるさいわ!」

「お、おいおい、声が大きい。だいたい、褒めてるのになんだってそう怒るんだ」

「瑛ちゃんのせいよ!」

 俺の目付きが変わったためか、雲子はハッとして口元を手で覆った。

「なんだ? 瑛と何かあったのか?」

「別に……喧嘩したわけじゃないわよ……」

「じゃあ一体何があったんだ」

「それは……」

 言いよどむ雲子に、俺は少し不安を覚える。
 喧嘩でないならまだ良いが……。
 迷惑を掛けたのなら、兄としても謝らねばならないだろう。

「教えてくれ、雲子」

「別に大したことじゃ……」

「それでも知りたいんだ」

 俺がじっと見つめて言うと、雲子はあからさまに視線を逸らした。

「大したことじゃないって言ってるのに……」

「雲子」

「う、分かった、分かったわよ。言えば良いんでしょう、言えば」

 彼女が不機嫌そうに腕を組む。
 押し出されたおっぱいが眼福であるが、今は喜んでいる場合じゃない。

「え、瑛ちゃんが……」

「瑛が」

「その……わ、私と大輔が……」

「俺とお前が!」

「く、くっ付けば良いのに、って……」

「くっ付けば良いのに……?」

「そ、そうしたら……私もおこぼれに預かれるんですけどね、って……」

「はあ? なんだそりゃ」

「私に言わないでよ! 瑛ちゃんが言ってたんだから!」

「いや、話の是非はともかく、それでなんだって雲子、お前が荒れてるんだよ」

 俺がそう言うと、雲子は目を見開いた。
 鬼気迫る表情で肩を掴まれる。なんなんのか。

「あ、アンタに分かるの!? ちょっとでも想像しちゃった私の気持ちが! 瑛ちゃんが義妹になるの想像しちゃったのよ!」

「お、おう……」

 そうか。確かに単なる想像でなく、妙なところで細かな現実味を得てしまうと、恥ずかしくなるのも分かる気がする。
 俺も一瞬、ウェディングドレスらしきものを着た雲子の姿を想像してしまい、顔が火照った。

「い、いや、くっ付くと言っても、いきなり結婚はないだろ」

「そ、そうよね。まずは付き合うところから始めないと」

「付き合う」

 俺がぽつりと呟くように繰り返した後、妙な沈黙が訪れた。
 なんなのか、と雲子を見ると目が合った。
 俺達は互いに慌てて目を逸らした。
 ぐっ、くそう。
 これでは本当に青春のひとコマではないか……。

「え、瑛ちゃんが待ってるわ。早く行きましょう」

「ああ、そうだな」

 顔を見ない様にしながら言い合って、俺達は中庭へと向かう。



「あっ、雲子さん! と、お兄ちゃん……」

 露骨に俺の方だけ声が小さい。
 まあ、そうか。ちょっとの間ではあるが、会っていなかったものな。
 俺まで人見知りしてはどうにもならないので、なるべく自然に振舞おう。

「よう」と、片手を挙げる。

 ちょっと気取った風だったろうか。
 いや、だからといって、お兄ちゃんのお兄ちゃんも元気だぜ、などと下半身を露出するわけにもいかないだろう。

「良かった、元気そうで。……制服、どうしたの?」

「まあ、色々とあってな。弁当作ってきてくれたんだろう? 飯を食いながら話すよ」

 俺がそう言うと、瑛は「うん」とはにかんで頷いた。
 二人が作ってくれた弁当は普通に美味であった。
 普通といっては失礼かも知れないが、とにかく、塩と砂糖を間違えておにぎりを握るといった古典的かつ冗談としか思えないような失敗もなく、美味い美味いと口にしながら頬張るに値する出来だった。
 先に告げた通り、箸を進めながらも瑛には俺の現況を伝えた。
 占い師を自称する女の子に部屋を借りていると告げた時は、少し心配された上、妙な空気になった。
 雲子を見て気まずそうな顔する瑛が悪い。
 とにかく、なんとか生き延びていることは伝わったらしく、その点に関しては瑛も安心したようだった。
 両親に関しては未だ俺への敵意を剥き出しにしているらしく、しばらくは帰って来ない方が良いとの事だ。
 昼休みも終わろうかという頃。
 瑛が言う。

「あの……私、びっくりしただけで、お兄ちゃんが嫌いになったわけじゃないから……またこうして……会ってくれる?」

「おお、もちろんだ」

 意外にも瑛からの評価は下がっていないのだろうか。
 いや、ひょっとすると、俺を好きなんじゃないだろうか。
 待てよ? 雲子ばかりに意識を奪われていたが、そもそも瑛はおこぼれに預かると口にしていたらしいじゃないか。
 まさか雲子の巨乳を狙っているわけではあるまい。と、なれば……。

「そろそろ昼休みも終わりだね」

「そうね。何時にも増してあっという間だったわ」

 二人がそんな会話を交わした直後に、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
 うーむ。単なる兄妹愛だろうか。
 瑛の賢そうな横顔を見やりつつ、俺は顎を撫でるのだった。


つづく

生と死、精と子#37

 一緒に居た二人が女の子だったせいで、気が付かなかったが、教室に入ってみると分かる。やはり一人だけ真新しい制服というのは目立つな。
 そんなことをぼんやりと考えていると、散見が辺りをきょろきょろと見回しながら近付いてきた。
 よう、と声を掛ける。

「ああ、おはよう、高宮。……益垣から何か聞いてない?」

「何か、って?」

「あいつ、昨日から家にも帰ってないらしいんだ。携帯も繋がらないし……」

「駆け落ちでもしたのか?」

 俺が冗談混じりに言うと、散見は「へっ」と鼻で笑った。
 
「それだけは絶対にないだろ」

「失礼な奴だな。俺の助言が功を奏したのかも知れないだろう」

「助言? 何の話だ」

「女の子にモテるコツだ」

 散見が再び「へっ」と笑った。
 失礼な奴だ。よしんば俺がコツを語るに値しない程度にしかモテないとしても、散見よりは間違いなくモテるはずだ。
 どんぐりの背比べ、などという言葉が頭を過ぎったが、俺には当てはまらない。
 散見はヘラヘラと笑みを浮かべている。
 こいつは益垣の話を聞きにきたのか、俺を馬鹿にするためにきたのか。
 まあ良い。散見にモテると認められたところで、何か利益がある訳ではない。

「……で、結局益垣はどうしたんだよ。テクノブレイクでも起こしたのか」

「いや、俺もさっぱり分からないから高宮に聞きにきたんだが……」

 俺と散見で分からなければ後は、男尻ぐらいしか当てはない。
 一応は友人である益垣の身を案じて、男尻の姿を探すが、丁度教室に入ってきた山村さんの姿を認めると、意識は完全に彼女へ持っていかれた。

「おはよう、山村さん」

「高宮くん……。良かった、制服のサイズ合ってるみたいで」

「お、そ、そう言えば制服だな、高宮」

 散見が視線をせわしなく泳がせながら、そう口にした。
 山村さんが目を向けると、散見はなぜか後退りし、男尻を探してくる、としどろもどろになりながら言った。
 山村さんが首を傾げる。

「……どうしたんだろう。私、邪魔だった?」

「まさか。ちょっと色々あってな」

 掻い摘んで益垣の件を伝える。

「ふうん。……どうしちゃったんだろうね」

「さあな……。大方どっかその辺でシコってるんじゃないか」

「シコって……相撲?」

「いいや、男にとっての神聖な儀式みたいなもんだ。自分と向き合う、とでも言うべきか……」

 細かに言うのならば自分の性欲や性的嗜好と向き合っているのだが、まあ良いだろう。嘘は吐いていない。

「ふうん。自分探しの旅、みたいなもの?」

 自分探しか……。
 確かに、自分の好みに合うオカズを探すという意味では間違っていない。
 そうだな、と相槌を打つ。

「益垣くんって意外と哲学的なんだね」

 実際に俺が想像している姿は哲学的というよりも、動物的、もっと言えば俗に語られる猿の姿なのだが……。
 いいや、ひょっとすると、益垣は、どこかで人知れず下半身の突起物を弄り続け、己の本質が猿か人かを見極めようとしているのかも知れない。
 この仮説が正しければ、その姿はまさしく哲学者と言えよう。

「そうだな。俺達も少し見習った方が良いかも知れない」

「うん。……自分かあ」

 山村さんが思案に耽るように悩ましげな表情を浮かべる。その姿は絵画のようだ。改めて芸術品のような美貌の持ち主であると認めさせられる。
 彼女は、その人間離れした空気を纏ったままで、自分の席へと向かった。
 余程、自分探しと言うのに関心を惹かれたのだろうか。



 結局、男尻も益垣の行方に関する情報は何も持っていなかった。
 散見は相変らず不安げだが、俺も男尻も大して気にしていない。薄情なのではない。益垣なら大丈夫だろうという根拠のない信頼がゆえだ。
 非行に走るぐらいなら自慰に耽る、そういう男だと信じているのだ。

 昼休み。
 珍しく雲子の方から訪ねてきた。
 制服姿に驚く彼女に、ジャージは洗ってから返すと伝える。その流れで、制服をどこで調達したのかを聞かれた。
 確かに俺が元々着ていた制服は、少なからずよれてきているが、帰宅していないことを前提とした質問に首を傾げる。
 先に、山村さんから借りていると告げると、妙な間があったが、俺の疑問を口にした途端、雲子の頬が赤く染まった。

「どうした」

「昨日、瑛ちゃんに誘われたのよ」

「なんだ、瑛と遊びにでも行ってきたのか」

「アンタのことを心配して、私に話を聞きにきたの。知っていることは教えてあげたけど、私だって知らないことも多いから、余計に心配させちゃったみたいで……」

「そうか……」

 瑛が心配してくれていたのか。
 それ自体は喜ばしいのだが、諸々の事情を考えると複雑だ。
 事の発端は、俺の自業自得であり、情けないやら、申し訳ないやらとも感じる一方で、もはや瑛に許してもらうだけでは済まない状況に陥っている事実に不安を覚える。
 何にせよ、一度彼女に会いにいくべきか。

「それで、瑛ちゃんがどうしてもって言うから……今日は二人でお弁当作ってきたのよ」

「え?」

「え、じゃないわよ。黙って付いてきなさい」

 何故かますます赤くなりながら、雲子が俺の手を取る。
 特に昼飯の当てがあったわけではないので、弁当を貰えるのは歓迎だが、会いにいくべきなのだろうか、などと考えていた瑛とすぐに顔を合わせることになるとは。
 断るほどではないが、少しドキドキしちゃうな。俺って案外乙女だから。


38話へつづく

生と死、精と子#36

 夕食後。
 食器を洗いながら、鼻歌を奏でている霧衣。
 その姿を遠目に見やりながら、リビングでくつろいでいると、桃子ちゃんが何かを思い出したかのように声を上げた。
 どうしたのか、と訊ねる俺には答えず、彼女は別室に向かった。
 首を傾げていると、何やら丸っこい物体を持って戻ってきた。

「寝袋だ。霧衣の布団のついでに買ってきたから、使って良いぞ」

「おお……。ありがとう」

 素直に礼を言う。
 雨風を防げるだけでも充分ではあるのだが、もちろん寝袋があった方が快適だ。
 霧衣には布団、というのは少しばかり納得いかないが、良しとしよう。
 それにしてもどうしてここまで世話してくれるのだろうか。
 父親の言い付けだと聞いてはいるが、その根拠までは知らない。
 全ては嘘で、やはり俺に惚れているのではないだろうか。
 試しに彼女に向かって微笑んでみる。
 もはや魔術・呪術の類と言っても過言ではないほどに、女の子を骨抜きにするような格好良い色気ある笑みだ。俺はそう思っている。

「どうしたんだ急にニヤニヤして、気持ち悪い」

 ……ま、まあ、自分の気持ちに素直になれない年頃って奴だろう。



 翌朝。俺は早速山村さんから借りた制服に袖を通した。
 自前のそれよりは大きいものの、ほぼぴったりだ。
 俺は本来の持ち主である山村さんのお兄さんのことを少し考えたが、すぐに止めた。鈍い痛みがこめかみに走ったからだ。
 寝袋を丸めて片付けてから、階下へ向かう。
 そろそろ時計も買ってこないと不便だな。毎朝こうして桃子ちゃんのもとを訪ねるのも申し訳ない。

「ん?」

 本当に申し訳ないことなのだろうか。
 だって、俺は超が付くほどの良い男だぞ?
 そんな男前と毎朝のように顔を合わせられるのは、彼女にとって幸運なことなのではなかろうか。

「そうだな……。そうに違い……おや?」

 階段を下り切ったところで、霧衣の存在に気付いた。
 アパート前の駐車スペースで何やら手足を振り回している。

「何かの儀式か?」

「おお、高宮か。儀式と言えば儀式だな。こうして朝日を浴びながら身体を動かしていると、ああ……実体化して良かった、と、そう思えるのだ」

「そうか」

 元々は彼女の仕事を妨害する為の策だったはずだが、すっかり実体化しての生活を楽しんでいるな。
 いつだったかのように窓から落ちたりしたら、今度は助けてもらえない訳で、俺にとっては害があると言えるが、こうも謳歌してる姿を見せられると、文句は口に出来ないな。そもそも、頻繁に高所から落下する俺の暮らし振りがどうかしているのだ。
 落ち着いた生活を求めるのなら、尚更やらねばならないことがあり、その為には危険な橋も渡らなくてはいけないのが難しいところだ。

「桃子ちゃんは起きているのか?」

「まだ寝ているが、そろそろ起きてくると思うぞ。……どうせ暇しているのなら、朝食の準備をしておいてくれないか」

「俺は構わないが、お前が勝手に決めて良いのか?」

「問題あるまい。そんなことを気にするような人間がお前や私の世話を焼くか?」

「それもそうだな」

 面倒事を押し付けられたようにも感じるが、昨夜の様子からして、霧衣には家事すら楽しんでいるような節がある。邪推はせずに素直に従っておくか。
 桃子ちゃんには世話になっている訳だし、朝食の用意ぐらいはして然るべきかも知れない。
 そう考えると不思議とやる気が出てくる。
 俺は少しでも彼女を眠らせておいてあげようと思い、そっと部屋に上がった。
 もはや通い詰めていると言っても良いほどなので、勝手は分かる。
 物音を最小限に抑えつつ、トーストと目玉焼きを用意した。
 それをテーブルに並べている時だった。
 不意に寝室から歓声が上がった。
 なんなのか。そう思っていると、パジャマ姿の桃子ちゃんがメジャー片手に現れ、こう叫んだ。
 
「やった! 三ミリ大きくなってた!」

「お、お、おう。良かったな?」

 何の話か分からないが、とにかく嬉しそうなので、そう相槌を打った。

「え……? あ……た、高宮……」

 歯切れ悪くそう声を上げながら、桃子ちゃんが顔を赤く染めていく。

「霧衣に朝飯の用意を頼まれてな。勝手に上がって悪かった」

「あ、い、いや、構わんが……」

「で、何が三ミリ大きくなってたんだ?」

 桃子ちゃんの身体が跳ね上がった。
 慌てて口を開いた彼女だが、言葉は出ず、そのまま動きを止めてしまう。

「……」

 沈黙の中、俺はメジャーと、平たい胸元を交互に見やって、察しが付いた。
 毎朝測ってるのか……。
 そのいたいたしくあわれな姿に、俺は同情を禁じえない。

「なっ、なんだその目は! 悪いか! 日課にして悪いのか! 今日だって三ミリ育ってたんだぞ!」

 桃子ちゃんも俺が事の真相に気付いたのを察したらしく、そう叫んだ。

「何も言ってないだろ……。それよりほら、霧衣も呼んできて飯にしようぜ。な?」

「変に優しい微笑を浮かべるな!」


37話へ続く!

生と死、精と子#35

 由宇さんを事務所に送り届け、俺はアパートに向かった。
 まだ本調子ではないようだったが、だからといって俺と一晩を明かすつもりはないと言い切られてしまったので、帰らざるを得なかった。
 俺としても弱気になっているところへ付け入るつもりもなかったので、立ち直れるよう祈るばかりだ。
 
 すっかり暗くなってからアパートに着くと、自室に明かりが灯っていないことに気付く。
 霧衣は桃子ちゃんの部屋だろうか。
 眠るにしては早過ぎるし、自室に戻ったところで物言わぬ息子と遊ぶしかないので、桃子ちゃんのもとを訪ねることにした。
 呼び鈴を鳴らすとすぐに彼女が顔を出した。

「霧衣はいるか?」

「ああ」

「ちょっと部屋に来るように言ってくれないか」

「……ああ?」

 あからさまに怪訝な顔をする桃子ちゃん。
 恐らく、俺がいかがわしいことでも考えていると勘違いしているのだろう。
 
「全く、やらしいことばっかり考えやがって! その内おちんぽ占いとか始めるつもりじゃないだろうな!?」

「なっ……!?」

 ぴたりと動きを止めたかと思うと、顔を真っ赤にして叫んだ。

「お前と一緒にするな! 大体、その訳の分からない占いはなんだ!」

「訳の分からない? 何のことだか」

 俺がすっ呆けると、桃子ちゃんはますます白熱した様子で言った。

「おちんぽなんちゃらだ!」

 怒りの余り、ぼかすべき部分を間違えるという失態を犯す。
 俺はにやりとしながら口をつぐんだ。
 彼女も自らの過ちに気付いたらしく、先とは明らかに質の違う赤面を見せた。
 面白い状況ではあるが、俺には霧衣に確かめるべきことがあるのだ。
 どうしたもんか。
 ……などと困っていながらも、にやにやしてしまうのを止められない。
 声にならない声を上げる桃子ちゃんは、今にも憤死してしまいそうだったが、玄関先での異変に気付いた霧衣が顔を出したところで一段落がついた。

「勝手にしろ」

 言い捨てて、桃子ちゃんは部屋の奥へと引っ込んでいった。

「ど、どうしたんだ?」

「いや……。まあ、気にするな」

 皆まで説明するのは、桃子ちゃんの名誉のためにも避けるべきだろう。

「ちょっと聞きたいことがあるんだが、部屋に来てくれないか?」

「……何かあったのか?」

「あった。それが俺やお前に関わることなのかどうか……。まあ、関係なくても何か分かることがあったら教えて欲しいと思うのだが」

 真面目な顔で頷いた霧衣を連れて自室へと戻る。

「それで、一体何があったのだ」

 由宇さんと共に出会った、例の少女に関して語る。
 単に二人揃って不意を突かれたのではないかと思われては、困ると思い、由宇さんに関しても詳しく告げておいた。

「ふむ?」

 顎に手をやり考える素振りを見せる霧衣だが、俺が想定したような反応ではない。あの天使野郎とは何も関係ないのだろうか。

「私が知っている限りでは、コカンニケハエルの部下ではないな。そもそもこちら側に部下を送り込むのは容易なことでないのだ。それをわざわざやるとなれば、もっと直接的に高宮をどうにか出来る力を持った者を使うはずだ」

「なるほどな。それじゃあ、あの子は……」

「高宮」

「なんだ」

「世の中、不思議なことは幾らでもある。その不思議の一端たる私にも分からないことは多々ある。あまり入れ込み過ぎて目的を疎かにするなよ?」

「……そうだな」

 由宇さんの反応は気になるが、霧衣や天界とは恐らく関係がないと分かった以上、考え続けていても仕方ないか。
 
「ところで、飯はもう済ませたのか?」

「いや、まだだ」

「よし、ならばこんなところで油を売っている暇はないぞ、桃子お姉様の部屋に戻るぞ」

「……お前、本当に食事は必要ないんだよな?」

「腹を膨らませる必要はないが、食事を楽しむことは必要だ。精神の健康を保つためにな」

「……オナニーせずとも死にはしないが、せずにはいられないのと同じか?」

「飯の前に汚い例え話をするんじゃない」

 などと言い合いながら、桃子ちゃんの部屋へと戻ってくる。
 玄関から顔を出した彼女が、俺を見るなり威嚇するような表情を浮かべた。
 うむ。とてもからかいたい。
 一言ぼそりと『おちんぽ占い』と口にすれば、思い切り反応してくれるだろう。
 その場合、桃子ちゃんの可愛い顔は見られるかも知れないが、飯は奢ってもらえない。

「食欲か、性欲か……」

 俺が悩んでいる間に、霧衣は桃子ちゃんと言葉を交わし、上手いことなだめてくれたようだ。
 渋々といった様子ではあるが、俺も夕飯の席へと招かれた。


36話へつづく

プロフィール

天沢

Author:天沢
マイペースですみません。
オリジナルの小説らしきものを書いています。
18歳未満閲覧禁止なのです。

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幼馴染に倒錯的な恋をする日々『メイド編』
幼馴染とエロ愉しく過ごす日々『露出編』
幼馴染とエロ愉しく過ごす日々『汗だく編』
過去の作品に関しては
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